ダウン症の障害年金に関するQ&A

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 寺井 渉

最終更新日:2023年04月25日

ダウン症の障害年金に関するQ&A

Qダウン症は障害年金が受給できますか?

A

 ダウン症で障害年金が受給できる場合があります。

 障害年金は、原則として、障害認定日において障害の程度が一定の障害の状態になっており、初診日において年金に加入しており、かつ、保険料の納付要件を充たしている場合に、支給を受けることができます。

 ただ、20歳未満に初診日がある場合には、年金の加入期間前であり、年金に加入しておらず、保険料を納付していなかったとしても、障害基礎年金を受給することができます。

 ダウン症は、障害年金の支給対象疾患であり、かつ、先天性疾患であり、原則として出生日が初診日になります。

 そのため、ダウン症による障害の程度が、障害基礎年金の支給が認められる一定の障害の状態(障害等級の1級もしくは2級)にあると認められるような場合には、障害年金の支給を受けることができます。

Qダウン症の障害の程度の要件とは?

A

 この場合の障害等級1級の障害の状態とは、食事や身の回りのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするものとされています。

 また、障害等級2級の障害の状態とは、食事や身の回りのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なものとされています。

 なお、障害年金の等級には3級もありますが、これは障害厚生年金の場合にしか支給の対象にならないため、初診日が20歳前であり、厚生年金加入期間に該当しないダウン症の場合には、支給の対象にはなりません。

Qダウン症の障害年金はいくらもらえますか?

A

 障害年金の支給額は、1級に認定された場合には年額97万6125円に改定率を乗じた金額、2級の場合には78万900円に改定率を乗じた金額であり、受給者に生計を維持されている子がいる場合には、これに子の加算が加わることになります。

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